JR三鷹駅北口徒歩3分の個別学習塾
社会人・大学生から高校生・中学生
不登校のかたまでお越しください!

大人の基準

先日TVを見ていたら、「あなたは小学5年生より賢いの?」(日テレ)と言うクイズ番組がやっていました。この10年ほどTVではクイズ番組が多くなり、クイズに勝つことが、頭がいいことの証明であるかのような番組作りだったと思うのですが、小学5年生Vs東大生だったので、目に留まりました。クイズは、教科書の中から作られた問題ばかりですが、なかなか面白い展開になっていました。


小学5年生(10~11歳)の1学期が終わった状態を、4年生までの内容を終えた段階と考えると、国語で習った漢字は全部で、教育漢字642字(1年生80字、2年生160字、3年生200字、4年生202字)、算数は、整数、小数、分数の計算です。理科や社会、図画工作、音楽、体育などの教科書からも問題は作られていました。しかし、これがなかなかいい勝負になっていて、私はとても面白く見させてもらいました。子どもたちと20年以上時代が違っていると、大人たちにしてみたら20~30年前のことなんか忘れてしまった。あるいは、私たちの時と今では、教わる内容が変わってしまったということだったのかなとも思いますが、私は、昔から大人たちが子どもに向かって「学校の勉強をしないと、ちゃんとした大人になれないぞ!」と言ってきたことを思い出しました。


TVに出ていたのは、みなちゃんとした大人たちばかりです。そして、おそらく小学校の時はちゃんと勉強していたと思われる人たちばかりです。大人が子どもに言っていたことは、「ちゃんと勉強しても、大人になったら忘れてもいい。だから今は、やりなさい」ということなのかもしれません。確かに、大人になってから、小学校で勉強したことを「あなたは覚えていますか?」と言われたり、試験させられることはありません。でもそれは、社会に出れば、みな、言われなくても試されているのだと、大人は言うのかもしれません。それならば、「勉強が終わったら、忘れてもいいよ」と言ってあげないと、勉強嫌いの子どもたちには、言葉不足なような気がします。


また、小学5年生が大人たちと渡り合っているということは、「ちゃんとした大人」というのは、小学校5年生レベルの知識があればいいということの表れだったのかもしれないとも思いました。昔、塾をやっている仲間たちと「ちゃんとした大人になるための最低の知識とはどのレベルなのか」話し合ったことがあります。昔から「読み書き算盤ができればいい」と言われてきましたが、その「レベルは何年生」という話でした。ほとんど全員の答えが小学校レベルでした。


買い物が一人でできて、新聞が読めれば大丈夫といったイメージです。そういえば昔ある出版社で、大衆雑誌(週刊誌)を作ることになったとき、漢字をどの程度使うか?という話し合いがあり、「多くの人に読んでもらうのだから、小学校4年生までの漢字で作ることにした」という話を思い出しました。きっと、昔も今も、「ちゃんとした大人になるための基準」は、学校勉強では表現できないのに、つい「わかりやすい」ということで「小学校の」、「中学校の」、「高校の」勉強ぐらいできないと、大人になれないと言ってきたのでしょうね。