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大人の常識って?

今月もTVのクイズ番組を見て感じた話です。それは「トリニクってなんの肉」という番組です。番組のHPには「世代を超えて驚きと気づきがある新機軸の世代間バラエティ番組。クイズに挑むのは13人の平成世代「トリニクサーティーン」と書いてあります。問題は、昭和生まれのパネラーが、平成生まれの解答者に「知っていて当たり前である常識」をクイズにして出題するという内容です。しかしクイズと呼べるようなレベルではなく、問題文に答えが書いてあるものもあります。そして、番組の演出は、あまりにも簡単すぎる問題を、答えることができない13人の若者(20代)たちに「えっ、こんなこともわからないの!」と大人たちが驚くという作りになっていました。


私は、「バラエティならおかしければ何でも構わない」という感じのこういう番組を作るTV局の姿勢に疑問を感じると同時に、参加している若者たちはどう思っているのだろうと思うのですが、そのことはちょっと横において、これまでのクイズ番組では、「皆がわからないことをだれよりも早く答えるのが勝ち」という価値観で作られていて、できなければ「恥ずかしい」「馬鹿にされる」と思わせるものがほとんどだったと思うので、この番組を見て、私は驚きました。


この番組では、正解をこたえるよりも、間違ったり、わからない者のほうが注目され、さらに、どうしてそういう答えになったのか、その説明が昭和生まれには想像ができない発想、理解できない発想、今の若者たちの間だけで通じている発想で、面白く答える者がいいのです。そしてまた、答えることができない人が多いと、あんな簡単なことでも正解を言った人は「すごーい!」と皆から称賛されるのです。こういうことを面白がったり、物事を知らない若者が、もてはやされる世情があることを教えられました。


私たち大人が、「これだけは知らないと、大人になってから恥ずかしいよね」と言ってきたことは、「いったい何だったのだろう」と考えました。そして、「常識」と言われていることを知っていたら、彼らはTVで仕事がもらえていない現実。でも、常識は生きてゆくために必要なことと思ってきたのに…???同時に、私たち大人と若者たちが生きている世界が、こんなにも違っているということの表れでもあります。ですから、若者たちの常識でクイズ番組を作ったら、大人が笑いの対象になるはずです。年寄りのほうが多く、若者が少ない社会だから、大人が笑えるのだと思います。


本当に生きていく上で知らなければいけないこと、できなければいけないこととは何なのでしょう。「常識がない、こんなことも知らない・できない」と言われる若者たちも、今は、知らない、できないだけで、必要になったときにはきっと、私たちの言う常識も技術も身に着ける力はあるのだと私は思います。だって、今の若者たちに私は、 因数分解を教えていますが、若者たちは、学校で教えていないのに、私には使えないスマホが使え、私の知らないことをたくさん知っているのですから。きっと、いつの時代も大人は「今の若者は…!!!」と言っているだけなんですね。