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何に役立つんですか?

高校数A「整数の性質」の最初の授業の時、私は、生徒たちが持っている「数学」のイメージを少し変えたいと思い、私たちと「数」の話をしました。人はまず、言葉を覚え始めるころに、親が目の前にあるものを数えることから数と出会います。「ひとつ」「ふたつ」「みっつ」「よっつ」「いつつ」それを超えたら「たくさん」と言い、数えませんでした。それが学校で「1」「2」「3」…という数字と出合ってからは、1+1=2という計算が始まり、九九を覚えさせられ、いつの間にか計算の仕方を覚えるのが、数学と思わされてきたように私は感じていました。


ですから、計算の前に、物の「数え方」から始めました。海にいる魚は「一匹」「二匹」と数えるけれど魚屋さんに並んでいる魚は「一尾」「二尾」。しらすは「一山」「二山」。烏賊・蛸・蟹は「一杯」「二杯」。動物は「一頭」「二頭」だけれど兎は「一羽」「二羽」。でも、なぜか蝶は「一頭」「二頭」。和歌は「一首」「二首」俳句は「一句」「二句」と、数えます。話し始めたら何時間あっても足りません。


また「一は、一から始めると言うように、物事の始まりを表していて、男を表している」と言われたり、「二は、分けることができるから、女を表す」と言われること。また、わが国では結婚式のご祝儀には、二千円など偶数枚のお札を包むと失礼になる。なぜなら偶数は分かれるので、結婚する二人が別れることのないように奇数枚の紙幣を包むのが、大人の常識と考えられているなどの話で、昔の人たちは、物を数える以外にもたくさんの意味を考えてきたことを話しました。


計算の話では、12×42=24×21、12×63=36×21とか、(8+1)の2乗=81、(5+1+2)の3乗=512と、「=」が鏡になっている式とか、数字がダイヤルのように現れる142857×1=142857、142857×2=285714、142857×3=428571という計算式を紹介してから、素数の話に入りました。


「数字は1からずっと並んでいると、どれも同じ種類に見えるけれど、分解してみると違いが見えてきます」「数字を分解する」とは「12を3×4とか18を2×9などのように」「積の形で表す」ことです。「この時の2とか3とか9を「約数」と言います。そこで、「1から100」までの数について、それぞれどんな約数を持っているか調べます。すると、約数が「1とその数自身の2つある数(素数)」と「3つ以上ある数(合成数:素数の積で表すことができる数)」に分類されます。残っているのは「1」です。「1は、約数が1個しかなく、ある数にかけても、ある数を割っても大きさが変わらない特別な数で」す。


さらに、「6」の約数をすべて(1.2.3.6)書き出すと「1+2+3=6」という式が成り立ちます。この様な数を数学では「完全数」と呼びます。「6」の次の完全数が「28」 (1.2.4.7.14.28)だということを確認してもらった後、「3番目の完全数は自分で調べてください」と話して授業を終えました。すると、一人の生徒から「完全数って面白いけれど、何に役立つんですか?」と聞かれました。