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どうなってるの?

ある日「今、そちらの地域の業者様を対象に、電気料金が今よりお安くなるキャンペーンをやっていますので、お話を聞いていただけますか?」という女性の声で電話があった。今より経費が少なくなるのならと思い「いいですよ」と返事をしたら、数日後、若い営業マンが塾にやってきました。


彼は、「今私の会社と契約していただくと、毎月の電気代が安くなりますし、今ならこの地域の業者様だけのキャンペーンをやっていますので、契約していただくだけでまず、1万円のキャッシュバックがあります。わが社と契約していただいたからと言って、電気の工事はありません。わが社は支払いのみの契約で、停電などの配電上のトラブルについては今まで通り東電が対応します」と言うのです。


私は、何年か前から、電気料金が自由化されたことは知っていましたが、毎月2~3千円程度ですので、料金について特に気にしたことはなく、どうなっているのか調べもせずに来ましたので、私は「どうして、あなたの会社と契約するだけで、電気代が安くなるのですか?」と質問しました。


すると、おもむろにカバンから資料(説明用パンフレット)を出し(彼はここまで、何の資料も見せずにただ、安くなりますから契約してほしいと話していたのだ)、東電が独占していた料金(規制料金)が自由料金になり、誰でも自由に販売できるようになり安くなったと一通りの説明をしてくれました。真面目そうな営業マンは、一生懸命話してくれていますし、説明の途中で「ここまでで、わからないところはありますか?」と何度も聞いてくれました。


しかし、私の「いろいろな会社が安くしますと言っている中で、どうしてあなたの会社と契約すると、契約するだけで1万がもらえ(約4ヶ月がタダになる)、その後の月々の料金が他社より安くなるのか」という説明をしてくれません。そこで私は「そんなに安くしても、会社はきちんと利益を得ることができているんでしょ。ところで君は正社員なの?」と聞きました。「……」どうも違うようです。今は、社員を正規に雇用しないで、人件費を削り、利益を得ている会社がたくさんあります。コールセンターのようなところからの指示で、彼は、夕方暗くなってからも営業回りをしていることから、彼の労働条件が厳しいことは想像がつきます。


そこで私は、「私のような電気料金で困ってもいない人の電気料金を安くするくらいなら、君たち働く人たちの給料を上げたほうがいいと思う」と話しました。今はいろいろなものが「安く」売られるようになりました。一見、消費者が助かっているように見えるのですが、私は、そこで働く人たち(特に若者)が、過酷な労働環境に追いやられているような気がしてなりません。