最近のTVでは、「天才キッズ」・「博士君」・「未来モンスター」など、スポーツだけではなく、大人顔負けの能力を持った子どもを取り上げる番組が多くみられます。私が見た中では、「お城」「野菜」「調味料」「世界遺産」に詳しい少年だったり、小学生なのにプロ並みのアスリートで、オリンピックで金メダルが期待できると言われている少年少女たちなど、若者・子どもたちの天才ぶりが紹介されていました。
7/16には、17歳(18歳の誕生日の3日前)の藤井聡太君がタイトル(名人)を獲得しました。こういう若者たちはどうやって才能を伸ばしてきたのだろうか?私もとても関心があります。どの子にも共通していると感じるのは、「好きなことに夢中になっている」ということだと思います。まず、「好きなこと」に出会うことが大切なんだ!と言えるのですが、「好きなこと」と出会うことはなかなかむつかしいことです。ですから、一般的には大人(親)は、こどもが「好きなこと」と出会う「きっかけ」を作ることが大切だ!となってゆきます。
確かに、藤井聡太君は、祖父母から将棋の手ほどきを受けたことが始まりだと言われていますが、このときに、祖父母は「きっかけになるように」と考えたのでしょうか?私は、ただ一緒に将棋をしたというだけのように思います。道具を与えられただけで、聡太君は勝手にのめりこんでいったのではないでしょうか。私も子どものころ、親の「きっかけづくり」をいくつか体験してきました。どれものめりこんだものはありません。私が夢中に(?)なったことは、どれも親と関係がないことばかりです。
私も親になったとき、やはり二人の子どもたちに対して「いろいろきっかけになればいいな」と思ってしてきたことがあります。でも、私が思ったことは何も続けることはありませんでした。二人とも、自分が興味や関心を持ったことや、自分で出会ったことをしています。でも、ときどき「親に強いられてきました」と子ども時代を語る人もいました。彼は「いやで逃げたかった」とまで話すのに、結果その道のプロになったり、メダルが期待されるアスリートになっているのです。私にはとても不思議に思えることでしたが、最初は嫌だったけれど、ある時から逃れられないことを受け入れ、自分も夢中になったように感じました。そのことと出会っていても、自分が好きかどうかわからないときもあるようです。
こうなると、大人が「きっかけ」を作ることが、子どもの才能が伸びる始まりなのかどうかよくわかりません。どちらにしても、本人が夢中になることが、才能が伸びる一番の条件であることには間違いがないと思います。「夢中」になるということは、子どもの心に、「興味・好奇心」があるということだと思います。心にあるものは頭で考えてもわかりませんし、心が開いていないと「好奇心」も沸いてきません。昔聞いた「子どもには無限の時間が大切」という言葉を思い出しました。