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人間は競争が好き

オリンピック・パラリンピックを見ていて、改めて気が付いたのが「人間って他人と比べるのが本当に好きだ」ということです。自分にできなかったことができるようになった時に、嬉しい気持ちや達成感など、いろいろな感情が生まれ、もっといろいろなことができるようにやってみようと考えることがあります。その気持ちは、自分が達成した喜びだけでは終わらず、時には誰かほかの人と比べてみたくなることもあります。歩き始めたくらいの幼児でも、一人で走り回って喜んでいるだけではなく、誰かと一緒に走ったとき、自分が一番速く走れた時、嬉しそうな表情をします。嬉しい気持ちは、本人だけではなく、その子の家族や、子どもを取り巻く人たちにも伝わります。



保育園や幼稚園の運動会では、どの子どもたちの表情も楽しそうで、それを見ている大人たちもみんな楽しい気持ちになり、心から、応援している姿を見ることができます。このとき、人と競い合うことが、誰かを蹴落とすために戦っているなどとは全く考えることはなく、子どもも大人も心から競争を楽しみ、喜びを感じているように見えます。これを見ていると「競争は人間の本能」なんだと感じます。そして、その競い合いの中から、さらに自分ができることを広げ高める「努力」が生まれ、「人間は互いに高めあっているんだ」という話に納得してしまいます。その究極の姿がオリンピアンであると考えることができます。



「そんなすごいことまでできるの!」「人間はどこまで行けるの!」と感動させられ、人間の無限の可能性を感じることができたり、ただただ、驚いたり、いろいろな感情がわいてきます。この時期には、同時にTVでは、アスリートたちの人間性を伝える感動のドラマを伝えるので、それまで知らなかった人なのに、いつの間にか、前から知っている自分の友人のような気持ちになって、友人を応援する気分になり、金メダルを取ったときは応援するエネルギーも最高になります。



今回は、開催をめぐり、「安心・安全」という言葉がキーワードになり、「オリンピック村の貴族」という言葉も現れ、いろいろな議論が生まれました。その一つ一つについて、私には「本当はどうなっていた」のか? 知ることはできませんので、ただ気持ちがうろうろするだけでした。はっきりしたのは、子どもたちの運動会(競争)を見る時とは違う感情がたくさん湧いた、とうことです。私が一番感じたのは、「あんなことができて、すごい!」と感動するだけでは終わらず、「必ず順位をつけなければいけないの?」ということです。でも、「順位のつかないオリンピックは」誰も見ないのでしょうね。きっと私も、「すごいね!」と思っても、気持ちが高ぶってゆくことはないと思います。これって何なのでしょうか? きっと「人間は、必ず順位をつけたくなる動物」なんでしょうか。きっと私の中にも、優生思想が巣くっているんでしょうね。でも、一人しかない勝者の後ろにいる無数の人たちも、その勝利を一緒に喜びあえる豊かな社会になるための競争であってほしいと思っています。