東京オリンピックが開催できるかどうかまだわからないのに、聖火リレーがスタートしました。「いや、開催はすでに決まっている。どのように開催するかが決まっていないだけだ」という人もいますが、海外からも、開催に否定的な見方が伝わってくるし、コロナウィルスも、緊急事態宣言が解除された途端、リバウンドが始まり、どちらも止まる気配がありません。開催されたら、世界中のいろいろな国からたくさん人がやってくるのに、安心して安全な環境を用意できるのか？ やってくるアスリートたちは安心して参加できるのか？ 私はスポーツが好きですし、これまでもオリンピックはそれなりに夢中になって応援してきましたが、今は、スポーツのすばらしさを語る前に、不安なことのほうが多くて、「せっかく開催するのだから、みんなの力を一つにして、成功させましょう！」と言われても、「そうですね」とはうなずけない状態です。
そんな中でも、文化や芸術部門の仕事を通して、オリンピック開催に向かって世の中の雰囲気を盛り上げる仕事を行政から依頼されている友人に聞いたことがあります。「行政の活動の場合は、予定されていた行事を決行するか？ 中止するか？ どんな基準でやっているの？」「それはまた、自分の思いの中にも何か基準があるの？」と聞いたことがあります。すると答えは「自分がやっていることは、すでに予算が決まっている活動なので、私の周りでは当然やるよね!という話しか出ないんです。特に業者からは、やめるかどうかなどと言う話は全く出ないんです。ですから、万全(？)の感染対策をして進めています」ということでした。彼は、行政の言いなりに仕事をするような人ではありません。どちらかというとその反対で、自分をきちんと通す人です。その彼も自分の口から「見直そう」などとは切り出せないと話すのです。それでは、開催を進めようとしている人はだれなのか?と思うのですが、話を聞いていても、「決まったことは誰にも変えられない」という感じしか伝わってきません。
それは、「決まったという事実」と、その活動で使われるお金(税金)の流れを止めると、そのお金によって支えられている人たちの生活を狂わすことになるので、見直すことはしないことになっていると言っているように感じました。国が進めていることは、国を動かしている人たちの中の誰かが進めているわけではないようです。自分の住んでいる国には、責任者がいない！？ と思わざるを得ません。「前からそうだった」と言われるかもしれませんが、私は、何事も自分の頭でよく考えて、自分で判断できるように勉強しなければいけないと教わってきたし、そうなろうと思ってきましたが、去年から、今まで学んできたことだけでは答えが出せないことがたくさん現れ、たとえ自分なりの答えが出せても、自分の答えとは全く違った方向に動いている世の中になりました。私は、もっともっと学ばなければいけないようです。