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ルールを守る!(その2)

1月24日に通常国会が始まり、石破首相の今年一年間の基本方針を示す『施政方針演説』が行われました。「ルールを守る」と首相になったときに、声高らかに公約した首相が、今年一年の約束をしたということになります。「約束は守る」ということは、「ルール」のはずですから、ちゃんと守ってもらいたいし、守ってくれるのでは? と思っています。演説ではたくさんのことが語られていますが、まず【国づくりの基本軸】で、「これからは、『楽しい日本』を目指していきたい」と言っています。『楽しい日本』とは、すべての人が安心と安全を感じ、自分の夢に挑戦し、「今日より明日はよくなる」と実感できる。多様な価値観を持つ一人ひとりが、互いに尊重しあい、自己実現を図っていける。そうした活力ある国家です。



先月、塾生の皆さんへプレゼントした絵本の世界を、石破首相は実現しようと言っているのですから、私の目に留まりました。また、一方で『子どもの権利条約』があることを、大人の半分には知られていないとも言われています。まず、ルールがあるということを知ってもらわないと困ると思うのですが、そういう私も恥ずかしいけれど、『子どもの権利条約』という言葉を知っているだけで、きちんと本文を読み、覚えているわけではありません。皆さんに贈る前に、『せかいにひとつ あなたのうた こどものけんりをたからかに』を読みました。「終わりに」というページに、条約の抜粋が載っていて、第28条の【教育を受ける権利】だけではなく、第31条に【休み、遊ぶ権利】があり、感動しました。さらに、小さい字で休養についても書かれていました。



私が、子どもたちを見ていて、今一番必要なことが、36年も前から書かれていたのです。「ルールを守る」と簡単に言っても、ルールをきちんと知っておかなければ、話になりません。でも、良く知らずにいろいろ話をしていた自分を恥ずかしく思います。当然知っていると思われることも、きちんと知っているか? と問われると、なんとなく知っているだけで、あいまいなことはたくさんあります。先日、学校教育の中で、体罰が今でも続いていることに触れた時、「ところで、体罰って、法律で禁止されているの?」と聞かれました。令和の今、体罰を許す人はめったにいません。ほとんどの人が「体罰はいけない」と考えているのですが、「どの法律に書かれているの?」と聞かれてみると、即座に答えることができないものです。改めて調べてみました。79年前の1947年に施行された『学校教育法』の第11条に「校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、児童、生徒及び学生に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはできない。」ときちんと書かれていました。『体罰禁止』は、79年間も、なかなか守られない「ルール」の一つです。



「ルールがあれば、お上が何とか守ってくれる」と考えるのは、大きな間違いだということが良くわかる事例です。みんなが『ルール』をきちんと知り、そのルールが作られた思想を理解していなければなりません。それが、できていない為に問題がいろいろ起きているような気がします。