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Stopp! Min kropp!

スウェーデンの日常生活を、スウェーデンに住んでいる二人の日本人女性が紹介している、『Nord-Labo 北欧研究室』というYoutube番組があります。その番組で性犯罪の状況について話しているとき、スウェーデンの性教育事情が紹介されました。そのときに『Stopp! Min kropp!(ストップ ミン クロップ)』という言葉が出てきました。スウェーデンでは幼児のうちから性教育が行われていて、子どもたちに自分の身体を守る権利を教える教育プログラムの名前だそうです。同時に、子どもたちが他者からの接触や行動をいやだと感じたり、拒否したいと思った時には、必ず言いなさいと子どもたちに教えている言葉だそうです。



幼い子どもを見たときに「かわいい!」と感じることがあります、そのようなとき、思わず抱き上げたり、ハグしたりすることは普通に見かける光景です。でも、相手が知らない大人であった時だけではなく、自分のおじいちゃんやおばあちゃんだったとしても、「イヤ!」と思った時は、「Stopp! Min kropp!(やめて! 私の身体!)」と言いなさいと教えているそうです。このようにして、スウェーデンでは幼いうちから、自分の身体の自己防衛の意識、尊重する意識を持つようにしているのです。



この話を聞いたとき、私は思わず「どきっ」としました。私は私の子どもが小さかった時や、孫たちにいっぱいしてきたからです。ときには、たばこ臭く、髭のある顔で頬擦りをしたこともあります。嫌がっても「ひげジョリするぞ!」などと言って、さらに頬すりを繰り返していました。「えっ、私は性犯罪をしていたかも知れない!」私にとっては、楽しい笑い話だと思っていたのですが、子どもや孫たちの本当の気持ちを一度も確認したことがありません(もう遅い!)。あの時、いやな素振りを見せたのは、本当は…、あの時、笑っていはずだから…などと、いろいろ考えます。もし、あのとき「Stopp! Min kropp!」と言われていたら…、私は、「なんてかわいくない子だ!」と思ったかもしれません。相手の気持ちをおもんぱかることのない、加害者の勝手な解釈が頭をめぐります。



そして次に、勉強を教える場面を考えました。「これは大切なことだから」と、私(大人)から一方的に教えていなかったか? と。いや、ここは塾だから、彼らは「教えてほしい」と思っていたはずだ! と決めつけていなかったか? 先述したことは「セクハラ(性犯罪)」についてであって、これは「教育」なのだから何も問題がないはずだ、と言えるのか?



近年、これまでは問題として意識されてこなかったことが、人権意識の変化とともに、その行為によって傷ついてきた人がいたということがわかり、「〇〇ハラスメント」と言うようになり、そういう態度・行為はやめるようにしましょうということがたくさんあります。教育はハラスメントである(?)から、教育現場でも「Stopp! Min kropp!」という言葉を子どもに伝える必要があると思います。